ANTHONY BROWN ・ アンソニー=ブラウン
アードレ−一族、ブラウン家の一人息子。
キャンディの本当の意味での初恋の相手。キャンディがあこがれた丘の上の王子さまに良く似た面差しをしている優等生的な正統派のハンサム。バラの品種改良が趣味の小公子。やさしげでおとなしいが、自分の信念に対してはゆずらない頑固さをもつ。
キャンディとの仲が少し気まずくなった時のフォローがロマンチックで絶妙。腕がキュンとなる初恋を見事に演出する才能がある。そんなキャンディとの淡い恋もはかなく、バラの咲く初夏のきつね狩りにて落馬し命をなくす。
キャンディに丘の上の王子さまのことを「心あたりがあるんだ」と言っていることから、王子さまの生体を知っていたと思われる。マザー・コンプレックスの気が強く、よくキャンディを見て母・ローズマリーを思い出していた。しかし、大人になったキャンディとの結婚を思い描いたただ一人の男性でもある。
幼くして生と死を悟った彼の言葉は、後に成長したキャンディに生きるということを考えさせた。

      ALISTAIR CORNWELL ・ アリステア=コーンウェル
アードレ−一族,コーンウェル家の長男. アーチ−の兄。通称ステアと呼ばれている。
発明好きでいろいろなものを作るがそのほとんどは失敗作。しかし、すぐ壊れてしまうとはいえ、ちゃんと使える車や飛行機を作ったのだから, 才能あるらしい.
第一次世界大戦が起きた時、早く平和を取り戻そうと、志願兵としてフランス空軍に参加。少尉となるが、ドイツ軍との空中戦にて騎士道精神を見せたために撃墜され、この世を去る。
明るくて冗談好きだが、人づきあいに関してはつねに一歩ひいてこまやかな気配りを見せた。それゆえキャンディへの自分の気持ちがあこがれに近いものといち早く気づいたのかもしれません。聖ポール学院でパティと出会って最高のパートナーを得、そままいけば幸せな家庭を築けたたろう。しかしコーンウェル家をついでもあれこれと新事業に手を出しすぎてアードレ−家の子会社を山ほどつぶしたかもしりません。
何度読んでも泣かせてくれる名脇役役。

    TERRENCE  GRANCHESTER ・ テリュ−ス=グランチェスター
イギリスの名門貴族グランチェスター公爵とアメリカの美人女優エレノア・ベーカーの間に生まれた私生児。 通称テリィ。 母親には捨てられたと思い込み、公爵家の体面を重んじる父親には反抗していた。おまけに継母や異母兄弟との折り合いも悪く、お酒、たばこ、ケンかと規則やぶりの。常習犯という不良だった。キャンディに会ってから、その破天荒さと明るさにひかれ、少しずつ心を溶かしていく。母の血を濃く受け継いだのか演劇に並々ならぬ才能を示し、学院を出てブロードウェーでデビュー、即トップスターに踊り出る。彼はニヒルでハンサムだったため、よくもててトラブルも多い。美人女優スザナに身をていして事故から救われて、彼女へ恩義とキャンディへの愛の間で悩むことになる。
生来の情熱ゆえに、あたたかでやすらぎに満ちた恋愛など望めるはずもなく、キャンディとの恋愛はいろいろな意味で激しいものとなった。結果的にキャンディとスザナの話し合いにより、スザナの伴侶に決定。精神的にズタズタになった時期もあったが、おそらく責任をもってスザナを幸せにしたはずである。
本来は真面目で繊細な芸術家肌で、孤独を 匂わせる大人っぽさと強引とも思える行動力バ魅力。

     ARCHIBALD  CORNWELL ・ アーチ−ボルト=コーンウェル
アードレ−一族、コーンウェル家の次男坊。通称アーチ−。ステアの弟。おしゃれでキザで美少年。少し派手好きとも思えるフリルやレースのシャツをいつも着こなしている。兄とはとても仲が良いが性格も容貌もまるで似ていない.行動がストレートで感情的なのは性格というよりも, おそらく少年のせいだろう。実はまじめで実直な面を持つ。
始めは、ちょっと可愛い女のこをからかう調子でキャンディに接するが、次第に本気になっていく。 まともに、キャンディに告白をしたのは彼だけであった。しかし、長年に渡り慕ってくれたアニ−の気持ちに応え、キャンディをあきらめることに。それでも、彼はテリィを嫌っていたため, 素直にキャンディとテリィの仲を認めることはできず、 終わり近くまでテリィには反感を抱いていた.
アンソニー、ステア、と仲良く育った仲間を失い、最後に一人残される。

     ALBERT  ANDRE ・ ウイリアム=アルバート=アードレ−
大富家アードレ−家の御曹司にして影の総帥。富や名誉よりも自然を愛し、動物たちと一緒に放浪生活をしていた。少年の心持つ大人の男性。
アルバートさん=ウィリアムおじさま=丘の上の王子さま。賢明な読者は途中で気づいたことだろう。実際、連載中のずいぶん早くからそういう噂も流れていた。
偶然、滝に落ちたキャンディを助け、その後キャンディを養女にし、遠くから見守り続けることになる。記憶をなくし、キャンディと暮らすようになってからはキャンディに深くかかわることに。
奔放なわりに細ヤかで適切な采配をふるう。そして大きく構えて始終目を細め、笑顔以外の顔は滅多に見せない。まさにキャンディが頼るにたる男。また、ふとした表情」に浮かぶ影が、女心を刺激する。が、実は亡き姉の思い出をひきずるシスター・コンプレックス...。
大人になって考えてみるとできすぎヒーローぶり、王子さまになってほしいタイプだったことに気づく。だが記憶を失った時の不安定さは実は彼が窮地に弱いことを示しているかも。
しかし、この気楽な富豪の御曹司、放浪の旅に出る前には高い教育を受けていたのだろうが、定職にもつかずふらふら遊び歩いて勝手に養子を取るわ、アフリカに行くわ、果ては兵隊に志願するわの放蕩息子......そういう社会勉強のかいあって確かに大物。腕もたつと見え、そのうえ物知りで優しい。寡黙で頭が良く、さすが年の功と思わせる殺し文句を絶妙のタイミングで放。だから彼には物語の中心になる名セリフが多い。

キャンディキャンディ  ©  いがらしゆみこ・水木杏子・テレビ朝日・東映動画